空間の立体利用脱平面の立体思考を

2011.12.09

限られた住まいの空間を最大限生かし、何通りにも使い、住まいを広くすることよりも生活を広くする。家族の生活の時間差を巧みに利用したり、道具や装置を駆使して部屋の機能を変えていく。こうして空間を時間的にも感覚的にも数倍広く使う。これが、空間の経済学である。しかし、実際の生活は、溢れる物や家具によって、部屋を何通りにも使えるどころか、ますます狭苦しくなり、身動きさえままならない。都心の2LDKほどの小住宅ともなると、床面積の三分の一以上がこうした物と家具とに埋めつくされているという。

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生活を楽にすべき道具のために、人の空間が圧迫されているのである。実に不経済な住まい方としか言いようがないが、これは、空間を立体的に利用する物理学的な思考力の欠如と、何でも物に頼る安易な物利姿勢が大きな原因となっているのだ。特に狭い住まいほど、未来の広い住まいや一戸建てへの夢が大きく、それまでは我慢の耐乏ならぬ「待望」生活とばかりに、安物の収納家具や電気器具に頼る傾向があり、これが原因でまたますます煩雑で狭苦しい住まいとなっているのが現状である。