アメリカでデザインを起こす時

2011.10.21

アメリカでデザインを起こす時、僕が現地に行って最初にする仕事は、どの方向のビュー、眺めがいいかをじっくりと把握することから始まる。家からの景色を考え、窓や部屋の角度と大きさを決め、家の顔というものを整えてゆく。しかし、東京でこれをやってもそいつは無駄である。肝心の眺めが、ほとんどないからだ。そして、そんなこととはつゆ知らず、「○○さん、アメリカ仕込みの大きな家をのびのびと作ってください」と皆さん目を輝かせてくるのである。

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で、僕は頑張るのである。三十五坪の土地に、やれ建ぺい率だ、容積率だ、北側斜線に道路斜線だと、いわば、足かせ。さるぐつわを噛まされた上で、自由にデザインしてくれと紙と鉛筆を机の上にポイと放り投げられたようなもので、ただ低く唸りながらデザインブックを睨むのである。アメリカのデザインから振り落とされず、愚にもつかない日本の規制を満たす。そんな無体を織り込んで苫渋の時が過ぎ行く。刑務所暮らしの方がもっと自由があるのではないかと思ったりもしながらね。