シェアにおける個室とプライバシーについて考えてみたい。日本の場合、シェアの個室には、トイレもキッチンもなく、寝る場所と身の回りのものをしまっておく最低限の機能しがないため、個室のなかだけで生活していくことはできない。同時にまた、シェアにおいては、個室のドア一枚を隔てると、そこは他人とともに過ごす「セミ・パブリック」な場だ。テレビを観るのも、食事をするのも、原則的にはこのセミ・パブリックスペースを利用することになる。
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それゆえ、シェアにおける個室は、プライバシーの最後の砦として、いっそう重要な意味を持つのではないだろうか。実際、「各人に個室があること」、すなわちフラットシェアかハウスシェアが可能なことが物件探しの最低条件であったことを、今回インタビューに協力してくれたGさん以外の全員が共通して挙げた。もっとも、フラットシェアやハウスシェアをしている人を条件にインタビュー対象者を探したのだから、これは当然といえば当然かもしれない。その理由として、「当たり前」(Aさん)、「プライバシー」(Dさん)、一部屋持てないのは「何とかく嫌」(Iさん)など、共通して自分だけの空間の必要性に言及している。では、なぜ個室を持つことが重要なのだろうか。今回のインタビューでは、家族や恋人と暮らす場合との対比から、他人とのシェアにおける個室の重要性を説明してもらった。