構造柱には、通し柱と管柱の区別があります。通し柱は、二階建ての一階と二階をひとつづきの一本の柱としたものです(三階建てなら、一、二階または二、三階)。二階の四隅の柱またはそれに準じる柱は、基本的には通し柱とすることになっています。では、通し柱とする必要性は何でしょうか。かつては構造的な、つまり強度上の効果を期待していました。たしかに、地震力などの水平力に抵抗するための壁が少なかった伝統的な構法では、一階と二階を一本ものの柱にすることにより、軸組が強くなるという効果がありました。
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しかし、わたしたち木造の研究者は、現在の木造住宅では、構造上は一本ものである必要はないと考えています。通し柱は、中間の二階の床位置で横架材(胴差)がささってくるので切り欠きが大きくなり、強さからいうと一本につながっている意味はほとんど失われてしまうからです。それでも通し柱にする意味はあります。まず上下階で柱位置がそろっていると、現場で軸組を建て上げるとき、二階の柱の位置が必然的に決まるという、施工上の意味が大きいと考えられます。通し柱にするもうひとつの意味は、上下階で柱の位置がそろうことにより、建物の一体化がはかられることです。通し柱にして上下階の柱位置をそろえるようにするとなると、二階と一階とで間取りがうまく対応するようにしなければなりません。これはけっこうめんどうなことですが、耐震性など建物全体の強さの確保には有効です。