実際に、我が家の土壁を手掛けてくれたのは、左官屋の親方と4人の職人。親方は、土壁一筋55年の大ベテランで、皇居の大手門の修復なども手掛ける、東京では数えるほどしかいなくなってしまった本格的な土壁職人のひとり。土壁に使う土は、藁スサを入れて最低でも半年は寝かせる。荒木田の土を使うのだが、寝かせれば寝かせるほど、成熟して土に粘りが出て、いい壁ができるのだそうだ。我が家は、幸運なことに、たまたま親方が、2年前に行政からの依頼で土蔵を造った際に残った荒木田の土を持ってきてくれた。
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その土を、地鎮祭の前から敷地内に囲いをつくって寝かせておいたので、かなり質のいい土になった。土壁をつくるには、まず小舞という、土壁の芯になるフレームを取り付ける。この小舞に、荒木田土に藁スサを混ぜて練り合わせて寝かせておいた土を、ざっくりと付けていく。これが、土壁の第一段階の荒壁。